国の教育ローンの審査基準と審査落ちになる理由とは?

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書類を見て悩む男性

「教育ローン」と聞くと、国の教育ローンか銀行の教育ローンを思い浮かべる方がほとんどだと思います。

特に国の教育ローンについては低所得者の人でも利用できるケースが多く、「国が運営しているローン」ということで安心感も高く、利用する人は年々増えています。

しかし、一見利用しやすいにように見える国の教育ローンですが、このローンの審査に通るためにはある一定の条件を満たす必要があります。

そこで今回は、「国の教育ローンの審査基準」と「審査に落ちてしまう人の特徴」について、詳しく見ていきたいと思います。

国の教育ローンの審査基準について

まず、はじめに国の教育ローンの審査基準からご紹介していきます。

審査のゆるい教育ローンはある?

国の教育ローンの審査でチェックされる項目

ちなみに、日本政策金融公庫の国の教育ローンのホームページを見ると、申し込みできる人の条件は書かれていますが、審査に受かる条件はどこにも記載されていません。

したがって、残念ながら国の教育ローンの審査基準は公開されておらず、詳しい条件は「不明」ということになります。

しかし、審査基準が公開されていなかったとしても、一般的な教育ローンの審査項目はある程度決まっています。

国の教育ローンの審査についても、以下の四つのポイントで審査が行われます。

1.他社ローンの借入れ・返済状況

一つ目は、他社のローンの借入れ金額と返済状況についての審査です。

他社のローンといっても、住宅ローンやマイカーローン、さらには銀行や消費者金融のカードローンなど様々ですが、それらのローンの借入額、そして毎月きちんと返済しているかが厳しくチェックされます。

また、銀行や消費者金融のカードローンを利用している場合「それだけで国の教育ローンの審査に落ちてしまうのではないか?」と思っている方もいらっしゃいます。

しかし、この場合返済に問題がなければ、カードローンを利用していても審査に通るケースはいくらでもあります。

参考までに、カードローンを利用者が国の教育ローンに申し込んだ場合の審査について、ヤフー知恵袋でも書かれていましたので一度参考にしていただければと思います。

※Yahoo知恵袋「カードローン利用者は審査に落ちるか?」

2.返済能力

二つ目のポイントは、利用者の返済能力についての審査です。

では国の教育ローンの審査では、どんな状態であれば「返済能力を満たしている」と言えるのでしょうか?

ここでポイントになるのが「返済比率」という一つの指標です。

返済比率とは、利用者の年収のうち1年間の借金返済額がどれくらい占めているか?という割合のことを指します。

たとえば、年収400万円の人が年間100万円をローン返済にまわしている場合、「年間の返済総額100万円」÷「年収400万円」という計算で返済比率は算出され、「返済比率は25%」となります。

ちなみに、理想的な返済比率は25%~35%程度と言われています。

逆に、返済能力に問題がある返済比率は「年収の40%以上」です。

そのため、極端に年収が低い人や他社ローンで多額の借入をしているような人は、この「返済比率」が高くなってしまいますので審査通過が難しくなります。

3.年収が基準に合っているか?

三つ目のポイントは、国の教育ローンの年収条件に合っているか?という点です。

以下は国の教育ローンの年収条件を示した表になります。

たとえば平均的な子供二人の世帯では、年収が890万円を超えてしまうと国の教育ローンを利用することはできません。

なお、この後詳しく解説していきますが、国の教育ローンを申し込む際には収入証明書の提出も必要となりますので、虚偽の収入を申告しても審査に通ることは不可能です。

子供の人数 世帯年収(所得)の上限額
1人 790万円(590万円)
2人 890万円(680万円)
3人 990万円(770万円)
4人 1,090万円(870万円)
5人 1,190万円(970万円)

国の教育ローンの収入条件は以上の通りですので、上記の上限を超える高収入世帯の人は、国の教育ローンは利用できないことはおわかりいただけたかと思います。

しかし、所得の上限額を超える場合でも、以下の要件のいずれか一つに該当する場合は、世帯年収が990万円まで緩和されます。(子供が二人の場合)

  • 勤続(営業)年数が3年未満。
  • 居住年数が1年未満。
  • 自宅外通学(予定)や単身赴任に該当する。
  • その他介護費の負担に関する要件や災害特例措置に該当する。
4.必要書類は整っているか?

四つ目のポイントは、国の教育ローンの審査に必要な必要書類がきちんと整っているか?という点です。

以下は国の教育ローンの申し込みに必要な書類の一覧ですが、これらの書類を不備なく用意するのはもちろん、用意する書類は最新のものでなくてはなりません。

必要書類 備考
借入申込書 原本を用意すること。申込み者の署名・押印が必要(※インターネットから申込む場合は不要)
住民票の写しまたは
住民票記載事項証明書
世帯全員(続柄を含む)が記載された原本が必要。(本籍地および個人番号(マイナンバー)の記載がないもの)
運転免許証または
パスポート
コピーの場合は、本籍地の記載を黒く塗りつぶしておくこと。(※運転免許証の住所・氏名等に変更がある場合は、裏面もコピー)
運転免許証やパスポートを用意できない場合は、コールセンターへ連絡するか、健康保険被保険者証(原本)を用意して他の書類とともに取扱支店へ持参する必要がある。
源泉徴収票または
確定申告書(控)
直近分の書類を用意する必要がある。
連帯保証人による保証を希望している場合は、予定連帯保証人の源泉徴収票または確定申告書(控)も用意する必要がある。(保証基金を利用する場合は必要なし)
預金通帳
(最近6ヵ月分以上)
住宅ローン(または家賃)と公共料金の両方の支払い状況を確認できる書類を用意すること。(コピーの場合は、預金通帳の金融機関名がわかる部分のコピーが必要)
公共料金(電気、ガス、水道、電話など)は、2種類以上確認できるようにしておくこと。(※コンビニで支払いしている場合は、領収書(最近6ヵ月分以上)を用意すること)(※クレジットカードで支払いしている場合は、カード利用明細書+預金通帳の提出が必要)

また、上記の他にも国の教育ローンの申し込み内容によっては、合格を確認できる“合格通知書”や“入学証明書”などの提出が必要になる場合があります。

詳しい必要書類については、国の教育ローンの問い合わせ窓口や、日本政策金融公庫の支店で問い合わせされることをおすすめします。

国の教育ローンの審査は厳しい?口コミもチェック!

ここまでの説明で、国の教育ローンの大まかな審査基準や、用意すべき書類についてはおわかりいただけたかと思います。

では実際のところ、国の教育ローンの審査は厳しいのか…?それともゆるいのか?実際の口コミをチェックしてみたいと思います。

他社借り入れが多く審査落ちしたケース

一つ目のケースは、シングルマザーが国の教育ローンに申し込んで審査に落ちた…というケースです。

以下にヤフー知恵袋での事例を掲載していますが、年収が290万円で派遣社員として働いており、公営住宅に住んでいるシングルマザーの方の例です。

この方の場合、年収は290万円ですので、先ほどご紹介した国の教育ローンの年収上限以下となりますので、収入条件には問題がないことがわかります。

しかしこの方の場合、消費者金融とカード会社のキャッシングで、合計120万円の借り入れがありました。

なお、これらの借入の返済については一度も延滞したことがなかった…ということでしたが、借り入れの総額が多すぎる場合は「返済能力に問題がある」として審査落ちしてしまうことがよくわかります。

参考:Yahoo知恵袋 他社借り入れが多く審査落ちしたケース

公共料金の延滞で審査落ちする可能性も

二つ目のケースは、まだ審査結果は出ていないものの、「ほぼ審査落ちする可能性が高い」というケースです。

この方の場合、特にカードローンなので借り入れがあるということではないのですが、電気代と生命保険の引き落としが間に合わず延滞してしまったという例です。

実際のところ、このような方でも審査に通る可能性もあるのですが、公共料金を延滞しただけでも審査通過が難しくなるケースもあるようです。

参考:Yahoo知恵袋 公共料金を延滞した人が国の教育ローンに申し込んだ場合

国の教育ローンの審査に落ちるケース

悩む男性

では、ここからはどのような場合に国の教育ローンの審査に落ちてしまうのか?いくつかのパターンをご紹介したいと思います。

低所得でも返済能力が乏しいと審査落ちする

一つ目は、先ほどから何度か登場している「他社借入額が多くて毎月の返済が厳しい」と想定される場合です。

たとえば、先ほどの年収290万円の人がカードローンで借金しているケースで考えてみます。

この方の場合、120万円程度の借り入れがあるとのことでしたので、年間の借金返済額はおそらく30万円~50万円程度と推測されます。

少なく見積もって30万円と仮定すると、年間の返済比率は10.3%となりますので、返済能力の危険ゾーンの「40%」を大幅に下回っており、返済には問題ないように思えます。

しかし、国の教育ローンの場合、このような他社借入額だけで返済比率を見るわけではありません。

実際のところ、利用者の返済能力をチェックする際には、収入から「家賃」や「住宅ローン」、そしてこのような「借金返済額」や「一般的な生活費」を除いたお金がどれくらい残るか?という点が厳しくチェックされます。

ちなみに、先ほどの年収290万円の人の場合、おそらく手取り収入は年間230万円程度ですから、一か月の手取りは約19万円ということになります。

さらにそこから家賃や娘二人の生活費、そしてカードローンなどの返済を済ませると、おそらく手元に残るのは毎月3万円~5万円程度となります。

こうなると、国の教育ローンを利用したとしても、何らかの突発的なことが起こればすぐに返済が滞ってしまう事は目に見えていますので、審査に落ちる確率は高くなります。

世帯年収の上限金額を超えている場合

二つ目のケースは、国の教育ローンで指定されている年収の上限金額を超えている場合です。

国の教育ローンは民間の教育ローンとは異なり、低所得者の人でも利用できるように国が用意している制度です。

そのため、年収が1千万円を超えるような高収入の世帯の人は、国の教育ローンは利用できず銀行の教育ローンを利用するしか方法はありません。

携帯料金の滞納常習者が審査に落ちるケースも

三つ目のポイントは、携帯料金を滞納した人です。

毎月何気なく支払っている携帯料金の中には、契約状況によっては機種代の割賦金が含まれているケースがあります。

この機種代金の割賦金は、単純に「分割で払っているだけでローンではない」と勘違いしている人が多いようですが、実はこの分割払いは立派なローン契約です。

そのため、毎月の携帯料金を滞納してしまうと、ローンの支払いを延滞したことになってしまいます。

このような機種代金の割賦金を滞納した場合、信用情報機関には「延滞記録」として残ってしまう事になり、国の教育ローンの審査にも影響を与えてしまいます。

Yahoo知恵袋 「国の教育ローンの合否に携帯代は関係するのでしょうか?」

他社借り入れや基本情報の虚偽申し込みも審査落ちする

四つ目のポイントは、国の教育ローンの申し込みで嘘をついた場合です。

たとえば、年収の上限金額を偽って申告したり、他社借り入れ状況や現在住んでいる住所、そして職場の連絡先について虚偽の申告をした場合は、確実に審査落ちします。

たとえ嘘をついて申し込もうとしても、このような情報は信用情報機関への照会でバレますし、必要書類と照らし合わせられると、必ず虚偽の申告はバレてしまいます。

こうなると審査落ちするばかりか、その人の信用も失ってしまいますので、くれぐれも申し込みは正直に行われることをおすすめします。

勤続年数が短いと審査落ちする

最後のポイントは勤続年数が短い場合です。

国の教育ローンのホームページを見ても、「勤続年数?年未満なら審査に落ちます」といった表記はどこにもありません。

しかし、その一方でのホームページには「勤続年数が3年未満の場合は世帯年収が高くても申し込みができる」と記載されています。

したがって、規定の年収条件にあてはまる人の場合は、勤続年数が3年以上ないと審査は通らない…ことになります。

国の教育ローンで審査通過する為のコツ

では、以上のような国の教育ローンの審査にスムーズに通るためには、どのようなコツがあるのでしょうか?

きちんと利用条件を調べておく事が最も重要

ここまでで国の教育ローンの審査に通る為の基本的な条件は解説済ですので、詳しい条件は割愛しますが、国の教育ローンの審査に通る上で最も重要な点は「申し込み条件をきちんと調べてから申し込む」という点です。

たとえば、申し込み前に何も下調べをせずに申し込む人と、申し込み条件や必要書類などの詳しい条件をよく確認してから申し込む人では、当然審査結果が変わってくるのは当たり前の話です。

不安なことは事前に相談しておく

したがって今から国の教育ローンを申し込もうと思っている人は、日本政策金融公庫の問い合わせ先に電話をして事前に情報収集をしておかれることをお勧めします。

問い合わせ先0570-008656
月~金9:00~21:00/土曜日9:00~17:00

また日本政策金融公庫には、全国各地に営業支店がありますので、下記のURLからご覧頂き最寄りの支店を探して直接窓口に相談に行かれることも審査通過の近道です。

日本政策金融公庫の支店一覧

国の教育ローンの審査に落ちたらやるべき4つの事

では、国の教育ローンに申し込んだ結果、残念ながら審査落ちした場合は、どのような対処方法があるのでしょうか?

1.信用情報機関の情報を調べてみる

国の教育ローンに落ちてしまった場合は、他の金策手段を考えないといけません。

しかし、その前にまずは審査落ちした理由を確認する必要があります。

その方法の一つとして「信用情報機関の登録情報を自分で確認する」という方法があります。

下記にCICの本人解除方法についての参考URLを記載していますが、各信用情報機関ではCICのように手数料を支払えば、自分の情報を開示してもらえます。

情報の見方は少々ややこしいのですが、それを見ればなぜ審査落ちしてしまったのか、おおよそのことはわかります。

※参考:CICの本人開示方法

2.銀行の教育ローンに申し込んでみる

次に、国の教育ローンに落ちた場合の「次の金策手段」についてご紹介します。

一つ目は、銀行の教育ローンに申し込むという方法です。

三井住友銀行や三菱UFJ銀行など、メガバンクをはじめネット銀行や地方銀行では、WEBでも教育ローンが申し込めます。

ただ、これらの銀行教育ローンの場合、国の教育ローンと比較して金利が1%~2%程度高い…というデメリットがあります。

また、国の教育ローンとは異なり年収の上限はないものの、最低200万円以上ないと利用できない銀行教育ローンもあります。

そのため、低所得者世帯は銀行の教育ローンが利用できないケースもあります。

3.奨学金を検討してみる

二つ目は奨学金を検討してみる、という方法です。

なお、奨学金については無利子で利用できる奨学金と、有利子で借りることができる奨学金があります。

なお、母子家庭や生活保護を受けているような生活に困窮している世帯の場合、奨学金では優遇措置がありますので、詳しくは下記のホームページからご覧いただければと思います。

参考:JASSO奨学金

4.50万円以下ならカードローンを利用する

三つ目は、カードローンなどのキャッシングを利用するという方法です。

数百万円レベルの教育費用ならともかく、20万円~50万円程度の入学金などを一時的に用意する場合は、金利よりも融資までのスピードが重視されることがあります。

そういう意味では、消費者金融のカードローンであれば、申し込みしてから最短2~3時間後には現金を手に入れることが可能です。

最近では合格発表があってから入学金を振り込むまで、かなりタイトなスケジュールになるケースがあります。

そのため、最悪のケースを想定して消費者金融のカードローンの申し込みだけを済ませておき、もし利用しなければ解約するという方法もあるかもしれません。

国の教育ローンの審査基準について、まとめ

国の教育ローンは、たしかに低金利で利用できますし、年収が少ない世帯でも利用しやすいローンと言えます。

しかし、いくら国の教育ローンとはいえ、基本的に返済能力がない人には融資は行われませんし、それなりに厳しい審査も行われます。

ネットの口コミの中には「国の教育ローンは審査がゆるい」という書き込みもありますが、実際にはそうでもないことがおわかりいただけたかと思います。

ただし、きちんと下調べをして必要書類も用意して正確に申し込めば、何も怖がる必要はありません。

多少の不安はあったとしても、審査通過した例はいくらでもありますので、最低限申し込み条件をクリアしている場合は、躊躇せずに申し込まれることをおすすめします。