生活保護費って実際どれくらいもらえるの?受給条件は?

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生活保護費
生活保護費の給付引き下げが2018年10月から実施されたことが大きな話題となりました。

生活保護費が数千円減額されると生活保護世帯の生活は深刻なダメージを受けるといいます。

では、生活保護費って実際にはどのくらいもらえるものなのでしょうか?
また、どのような状況になったら生活保護を受けることができるのでしょうか?

生活保護とは

憲法第25条は、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」

と規定します。

生活保護制度はこの理念に基づいて制定されました。

さまざまな事情によって生活が困窮した場合には、日常生活や住宅、医療、教育などの面において困窮の程度に応じたサポートを受けられます。

どんな場合に生活保護を受けられる?~生活保護の受給要件とは

生活保護制度は、持っている財産や能力のすべてを尽くしたにもかかわらず生活が立ち行かない、という人のための制度です。

ですから、預貯金があればもちろん、生活に利用していない土地や家がある場合にはまずそれを売却して生活に充てることを優先しなければなりません。

また、働ける状態であれば働きましょう。

そして、年金や手当などの制度を利用して給付を受けられるのであれば、まずそうした制度を優先して活用します。

もし、親族の援助を受けられるようであれば援助を受けましょう。

そうした努力をしたにもかかわらずなお生活が苦しいという場合に、はじめて最低生活費に満たない部分を受給できるのです。

生活保護費の内訳はどうなっている?

生活保護制度ではどのような保障を受けられるのでしょうか?

生活保護の種類

生活保護には、8種類の扶助があります。

種類 内容 支給
生活扶助 日常生活に必要な費用(食費・光熱費・被服費など) 毎月支給
住宅扶助 アパートなどの家賃
医療扶助 医療サービスの費用 本人負担なし
介護扶助 介護サービスの費用
教育扶助 義務教育を受けるために必要な学用品 限度額の範囲内で必要に応じて支給
生業扶助 就労に必要な技能の習得費など
出産扶助 出産費用
葬祭扶助 葬祭費用

各種加算

特定の条件を満たす世帯は、生活保護費に各種加算がつきます。

生活保護費に加算がつけば月々の支給額は増加しますが、そのためには申請を行う必要があります。

要件に該当していても申請しなければ生活保護費の加算はつきませんので、加算を受けたい場合はケースワーカーに相談してください。

加算の種類 内容
妊婦加算 妊娠した場合
産婦加算 出産した場合
母子加算 ひとり親家庭の場合
児童養育加算 世帯に児童がいる場合
介護保険料加算 65歳以上になった場合
障害者加算 1.身体障害者手帳1級又は2級に該当する障害のあるもの
障害年金1級に該当する障害のあるもの
2.身体障害者手帳3級に該当する障害のあるもの
障害年金2級に該当する障害のあるもの

自治体によって受給できる生活保護費は異なる

生活保護費は、住んでいる自治体によって支給額が異なります。
生活保護費をいくらぐらい受給できるのかを知りたい場合には、まず、自分が住んでいる自治体の「級地」を確認しましょう。
年齢が同じでも、住んでいる自治体の級地が異なれば受給できる生活保護費が大きく異なる場合もあります。

1級地-1
川口市、さいたま市、東京23区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、多摩市、稲城市、西東京市、横浜市、川崎市、鎌倉市、藤沢市、逗子市、大和市、葉山町、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、豊中市、池田市、吹田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、寝屋川市、松原市、大東市、箕面市、門真市、摂津市、東大阪市、神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市
1級地-2
札幌市、江別市、仙台市、蕨市、戸田市、朝霞市、和光市、新座市、千葉市、市川市、船橋市、松戸市、習志野市、浦安市、青梅市、武蔵村山市、横須賀市、平塚市、小田原市、茅ヶ崎市、相模原市、三浦市、秦野市、厚木市、座間市、大津市、宇治市、向日市、長岡京市、岸和田市、泉大津市、貝塚市、和泉市、高石市、藤井寺市、四條畷市、交野市、忠岡町、姫路市、明石市、岡山市、倉敷市、広島市、呉市、福山市、府中町、北九州市、福岡市
2級地-1
函館市、小樽市、旭川、室蘭市、釧路市、帯広市、苫小牧市、千歳市、恵庭市、北広島市、青森市、盛岡市、秋田市、山形市、福島市、水戸市、宇都宮市、前橋市、高崎市、桐生市、川越市、熊谷市、春日部市、狭山市、上尾市、草加市、越谷市、入間市、志木市、桶川市、八潮市、富士見市、三郷市、ふじみ野市、三芳町、野田市、佐倉市、柏市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、四街道市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、伊勢原市、海老名市、南足柄市、綾瀬市、寒川町、大磯町、二宮町、大井町、松田町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町、新潟市、富山市、高岡市、金沢市、福井市、甲府市、長野市、松本市、岐阜市、静岡市、浜松市、沼津市、熱海市、伊東市、豊橋市、岡崎市、一宮市、春日井市、刈谷市、豊田市、知立市、尾張旭市、日進市、津市、四日市市、草津市、城陽市、八幡市、京田辺市、大山崎町、久御山町、泉佐野市、富田林市、河内長野市、柏原市、羽曳野市、泉南市、大阪狭山市、島本町、熊取町、田尻町、奈良市、生駒市、和歌山市、鳥取市、松江市、下関市、山口市、徳島市、高松市、松山市、高知市、久留米市、佐賀市、長崎市、熊本市、大分市、別府市、宮崎市、鹿児島市、那覇市
2級地-2
夕張市、岩見沢市、登別市、塩竈市、名取市、多賀城市、日立市、土浦市、古河市、取手市、足利市、長岡市、小松市、上田市、岡谷市、諏訪市、大垣市、多治見市、瑞浪市、土岐市、各務原市、三島市、富士市、瀬戸市、豊川市、安城市、東海市、大府市、岩倉市、豊明市、清須市、北名古屋市、松阪市、桑名市、加古川市、高砂市、播磨町、橿原市、玉野市、三原市、尾道市、大竹市、府中市、廿日市市、海田町、坂町、宇部市、防府市、岩国市、周南市、大牟田市、直方市、飯塚市、田川市、行橋市、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、宗像市、古賀市、福津市、那珂川市、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町、芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町、苅田町、佐世保市、西海市、荒尾市
3級地-1
北見市、網走市、留萌市、稚内市、美唄市、芦別市、赤平市、紋別市、士別市、名寄市、三笠市、根室市、滝川市、砂川市、歌志内市、深川市、富良野市、伊達市、石狩市、北斗市、七飯町、長万部町、江差町、京極町、倶知安町、岩内町、余市町、奈井江町、上砂川町、南富良野町、鷹栖町、東神楽町、上川町、東川町、新得町、占冠村、安平町、音威子府村、中川町、幕別町、天塩町、幌延町、猿払村、浜頓別村、枝幸町、美幌町、斜里町、清里町、遠軽町、滝上町、興部町、西興部村、雄武町、日高町、浦河町、音更町、芽室町、中札内村、陸別町、釧路町、弟子屈町、中標津町、標津町、羅臼町、新ひだか町、弘前市、八戸市、黒石市、五所川原市、十和田市、三沢市、むつ市、宮古市、大船渡市、花巻市、北上市、久慈市、遠野市、一関市、陸前高田市、釜石市、二戸市、奥州市、滝沢市、石巻市、気仙沼市、白石市、角田市、岩沼市、大崎市、富谷市、大河原町、柴田町、七ヶ浜町、利府町、能代市、横手市、大館市、男鹿市、湯沢市、鹿角市、由利本荘市、大仙市、米沢市、鶴岡市、酒田市、寒河江市、上山市、村山市、長井市、天童市、東根市、尾花沢市、南陽市、会津若松市、郡山市、いわき市、白河市、喜多方市、相馬市、二本松市、南相馬市、石岡市、龍ケ崎市、常陸太田市、高萩市、牛久市、つくば市、ひたちなか市、鹿嶋市、守谷市、筑西市、東海村、美浦村、利根町、栃木市、佐野市、鹿沼市、日光市、小山市、真岡市、大田原市、矢板市、那須塩原市、下野市、上三川町、壬生町、伊勢崎市、太田市、沼田市、館林市、渋川市、藤岡市、富岡市、安中市、草津町、みなかみ町、大泉町、行田市、秩父市、飯能市、加須市、本庄市、東松山市、羽生市、鴻巣市、深谷市、久喜市、北本市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、白岡市、伊奈町、毛呂山町、越生町、嵐山町、小川町、鳩山町、宮代町、杉戸町、松伏町、銚子市、館山市、木更津市、茂原市、成田市、東金市、旭市、勝浦市、鴨川市、君津市、富津市、袖ヶ浦市、白井市、匝瑳市、香取市、酒々井町、日の出町、檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、小笠原村、中井、山北町、愛川町、清川村、三条市、柏崎市、新発田市、小千谷市、加茂市、十日町市、見附市、村上市、燕市、糸魚川市、五泉市、上越市、佐渡市、妙高市、湯沢町、刈羽村、魚津市、氷見市、滑川市、黒部市、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市、舟橋村、上市町、立山町、入善町、朝日町、七尾市、輪島市、珠洲市、加賀市、羽咋市、かほく市、白山市、能美市、川北町、津幡町、内灘町、野々市市、敦賀市、小浜市、大野市、勝山市、鯖江市、あわら市、越前市、坂井市、永平寺町、南越前町、越前町、富士吉田市、都留市、山梨市、大月市、韮崎市、甲斐市、笛吹市、上野原市、甲州市、中央市、昭和町、飯田市、須坂市、小諸市、伊那市、駒ヶ根市、長野市、大町市、飯山市、茅野市、塩尻市、佐久市、千曲市、東御市、安曇野市、軽井沢町、下諏訪町、富士見町、辰野町、箕輪町、木曽町、坂城町、小布施町、高山市、関市、中津川市、美濃市、羽島市、恵那市、美濃加茂市、可児市、瑞穂市、岐南町、笠松町、北方町、富士宮市、島田市、磐田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御殿場市、袋井市、下田市、裾野市、湖西市、伊豆市、伊豆の国市、函南町、清水町、長泉町、小山町、半田市、津島市、碧南市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、知多市、高浜市、田原市、愛西市、弥富市、みよし市、あま市、東郷町、豊山町、大口町、扶桑町、大治町、蟹江町、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町、幸田町、設楽町、東栄町、長久手市、伊勢市、鈴鹿市、名張市、尾鷲市、亀山市、鳥羽市、志摩市、伊賀市、木曽岬町、東員町、菰野町、朝日町、川越町、彦根市、長浜市、近江八幡市、守山市、栗東市、野洲市、湖南市、東近江市、福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、亀岡市、南丹市、木津川市、井手町、宇治田原町、精華町、阪南市、豊能町、能勢町、岬町、太子町、河南町、千早赤阪村、洲本市、相生市、豊岡市、赤穂市、西脇市、三木市、三田市、加西市、たつの市、猪名川町、稲美町、太子町、大和高田市、大和郡山市、天理市、桜井市、五條市、御所市、香芝市、葛城市、平群町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町、吉野町、大淀町、下市町、海南市、橋本市、有田市、御坊市、田辺市、新宮市、岩出市、紀美野町、高野町、湯浅町、美浜町、白浜町、那智勝浦町、太地町、串本町、米子市、倉吉市、境港市、日吉津村、浜田市、出雲市、益田市、大田市、安来市、江津市、隠岐の島町、津山市、笠岡市、井原市、総社市、高梁市、新見市、瀬戸内市、赤磐市、浅口市、早島町、里庄町、矢掛町、竹原市、三次市、庄原市、東広島市、安芸高田市、江田島市、熊野町、萩市、下松市、光市、長門市、柳井市、美祢市、山陽小野田市、和木町、田布施町、平生町、鳴門市、小松島市、阿南市、丸亀市、坂出市、善通寺市、観音寺市、直島町、宇多津町、琴平町、多度津町、今治市、新居浜市、西条市、四国中央市、柳川市、八女市、筑後市、大川市、豊前市、小郡市、朝倉市、嘉麻市、唐津市、鳥栖市、諫早市、大村市、長与町、時津町、中津市、都城市、延岡市、鹿屋市、枕崎市、阿久根市、出水市、伊佐市、指宿市、西之表市、垂水市、薩摩川内市、日置市、いちき串木野市、霧島市、南さつま市、奄美市、姶良市、宜野湾市、石垣市、浦添市、名護市、糸満市、沖縄市、うるま市、宮古島市
3級地-2
上記以外の市町村

世帯によって受給できる生活保護費は異なる

住んでいる地域だけでなく、世帯の構成によっても受給できる生活保護費は随分異なります。

平成30年10月からは生活保護費の計算方法も変わりましたので、生活保護費がどのくらい受給できるものか、実際に計算していきたいと思います。

生活保護費の基礎となる生活扶助費は、

  • 生活扶助基準額①(平成24年の基準)
  • 生活扶助基準額②(平成29年の基準)
  • 生活扶助基準額③(平成30年10月の基準)

をもとに算出されます。

複雑で分かりにくいといわれる生活扶助費の計算、確かに面倒ではありますがそれほど難しいものではありません。

ここでは、
「1級地-1」の地域に住んでいる2人世帯(夫45歳、妻40歳)
をモデルに生活保護費を計算していきます。

STEP1:生活扶助基準額①を計算してみよう

まず最初は、平成24年の基準に基づいて生活扶助基準額を計算していきましょう。

生活扶助基準額①の計算~その1

まずは、住んでいる地域と世帯全員の年齢を下の表で確認してみましょう。

世帯員に当てはまる金額を合計します。

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2 21,500 20,540 19,570 18,600 17,640 16,670
3~5 27,100 25,890 24,680 23,450 22,240 21,010
6~11 35,060 33,480 31,900 30,320 28,750 27,170
12~19 43,300 41,360 39,400 37,460 35,510 33,560
20~40 41,440 39,580 37,710 35,840 33,980 32,120
41~59 39,290 37,520 35,750 33,990 33,220 30,450
60~64 37,150 35,480 33,800 32,140 30,460 28,790
65~69 37,150 35,480 33,800 32,140 30,460 28,790
70~74 33,280 32,020 30,280 29,120 27,290 26,250
75~ 33,280 32,020 30,280 29,120 27,290 26,250
世帯人数 1人 2人 3人 4人 5人
逓減率 1.0000 1.0000 1.0000 0.9500 0.9000

モデル世帯の場合、

  • 住んでいる地域は「1級地-1」
  • 夫の年齢は45歳
  • 妻の年齢は40歳

ですから、
39,290(夫)+41,440(妻)=80,730
モデル世帯の生活扶助基準額①第1類のベースとなる金額は80,730円になります。

生活扶助基準額を算出する場合は、世帯の人数に「逓減率」を掛けて金額を調整しますので、逓減率の表で該当する逓減率を確認してください。

モデル世帯の場合は、

  • 住んでいる地域は「1級地-1」
  • 2人世帯

ですから、逓減率は1.0000です。

80,730×1.0000=80,730(円)
この金額が、生活扶助基準額①第1類の金額となります。

生活扶助基準額①の計算~その2

次に、生活扶助基準額①の第2類で世帯に当てはまる金額を確認し、上で計算した金額に加算します。

生活扶助基準額①…第2類

人数 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 44,690 42,680 40,670 38,660 36,640 34,640
2人 49,460 47,240 45,010 42,790 40,560 38,330
3人 54,840 52,370 49,900 47,440 44,970 42,500
4人 56,760 54,210 51,660 49,090 46,540 43,990
5人 57,210 54,660 52,070 49,510 46,910 44,360

モデル世帯の場合、

  • 住んでいる地域は「1級地-1」
  • 2人世帯

ですので、生活扶助金額①の第2類の金額は49,690円です。

生活扶助基準額①の第1類の金額は80,730円でしたから、
80,730+49,460=130,190(円)となりますね。

この金額を①としておきます。

生活扶助基準額の金額
=第1類の金額(家族の基準額の合計×逓減率)+第2類の金額

STEP2:生活扶助基準額②を計算してみよう

同様に、生活扶助基準額②を計算していきましょう。

こちらは、平成29年の基準をもとにしています。

生活扶助基準額②の計算~その1
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2 26,660 25,520 24,100 23,540 22,490 21,550
3~5 29,970 28,690 27,090 26,470 25,290 24,220
6~11 34,390 32,920 31,090 30,360 29,010 27,790
12~19 39,170 37,500 35,410 34,580 33,040 31,650
20~40 38,430 36,790 34,740 33,930 32,420 31,060
41~59 39,360 37,670 35,570 34,740 33,210 31,810
60~64 38,990 37,320 35,230 34,420 32,890 31,510
65~69 38,990 37,320 35,230 34,420 32,890 31,510
70~74 33,830 32,380 30,580 29,870 28,540 27,340
75~ 33,830 32,380 30,580 29,870 28,540 27,340
世帯人数 1人 2人 3人 4人 5人
逓減率 1.0000 0.8850 0.8350 0.7675 0.7140

モデル世帯は、
「1級地-1」の地域に住んでいる2人世帯(夫45歳、妻40歳)
ですから、

39,360(夫)+38,430(妻)=77,790円
そこに、逓減率を掛けますので、
77,790×0.8850=68,844
生活扶助基準額②第1類の金額は68,844円です。

生活扶助基準額②の計算~その2

先ほどと同様に第2類の金額を足しますので、表で確認しましょう。

人数 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 40,800 39,050 36,880 36,030 34,420 32,970
2人 50,180 48,030 45,360 44,310 42,340 40,550
3人 59,170 56,630 53,480 52,230 49,920 47,810
4人 61,620 58,970 55,690 54,390 51,970 49,780
5人 65,690 62,880 59,370 57,990 55,420 53,090

モデル世帯は1級地-1に住んでいる2人世帯なので、50,180円です。

よって、
68,844+50,180=119,024(円)
この金額は②としておきます。

STEP3:生活扶助基準額③を計算してみよう

さらに、生活扶助基準額③も計算します。

生活扶助基準額③は平成30年10月から新たに計算に加わることになった部分です。

生活扶助基準額③の計算~その1

生活扶助基準額③では12歳~17歳、18歳~19歳で若干金額が異なる部分がありますので注意してください。

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2 44,010 42,730 40,620 40,620 37,810 36,430
3~5 44,010 42,730 40,620 40,620 37,810 36,430
6~11 45,010 43,700 41,550 41,550 38,670 37,250
12~17 47,090 45,710 43,460 43,460 40,460 38,970
18~19 46,760 45,390 43,160 43,160 40,170 38,700
20~40 46,760 45,390 43,160 43,160 40,170 38,700
41~59 46,760 45,390 43,160 43,160 40,170 38,700
60~64 46,760 45,390 43,160 43,160 40,170 38,700
65~69 44,700 43,390 41,260 41,260 38,410 36,990
70~74 44,700 43,390 41,260 41,260 38,410 36,990
75~ 40,350 39,180 37,250 37,250 34,670 33,400
世帯人数 1人 2人 3人 4人 5人
逓減率 1.0000 0.8548 0.7151 0.6010 0.5683

モデル世帯は、
「1級地-1」の地域に住んでいる2人世帯(夫45歳、妻40歳)
なので、

46,760(夫)+46,760(妻)=93,520(円)
これに逓減率を掛けるので、
93,520×0.8548=79,940
生活扶助基準額③第1類の金額は79,940円です。

この金額に第2類の金額を加えます。

生活扶助基準額③の計算~その2
人数 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 28,490 27,300 27,300 27,300 27,300 27,300
2人 41,830 40,090 40,090 40,090 40,090 40,090
3人 46,410 44,480 44,480 44,480 44,480 44,480
4人 48,400 46,390 46,390 46,390 46,390 46,390
5人 48,430 46,420 46,420 46,420 46,420 46,420

モデル世帯は1級地-1に住んでいる2人世帯なので、第2類の金額は41,830円です。

よって、
79,940+41,830=121,770(円)となります。

この金額は③としておきましょう。

STEP4:「生活扶助に係る経過的加算」の金額を確認する

平成30年10月より生活扶助基準額の見直しが実施されていることはご紹介しました。

この生活扶助基準額の見直しに伴い、経過的加算額が加算されます。

生活扶助本体に係る経過的加算

世帯員1人につき、年齢区分に対応する加算額を基準額に加算します。

モデル世代は1級地-1に住んでいる2人世帯ですが、2人世帯の場合は加算額がありませんので、加算額は0円です。

他に例を挙げてみましょう。
1級地-1の地域に住んでいる、40代の夫婦2人と60代後半の親1人の3人世帯の場合なら、
40代×2…1,050×2=2,100
60代後半×1…2,240
2,100+2,240=4,340(円)が月々加算されます。

生活扶助本体に係る経過的加算一覧表
単身世帯
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2 0 0 0 0 0 0
3~5 0 0 0 0 0 0
6~11 0 0 0 0 0 0
12~17 400 0 0 0 0 0
18~19 730 100 0 0 0 0
20~40 100 0 0 0 0 0
41~59 910 200 0 0 0 0
60~64 560 0 0 0 0 0
65~69 2,620 1,870 0 0 0 0
70~74 0 0 0 0 0 0
75~ 2,060 1,380 0 0 0 0

2人世帯…加算なし

3人世帯
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2 0 0 0 0 0 0
3~5 0 0 0 0 0 0
6~11 0 0 0 0 0 0
12~17 0 0 0 0 0 0
18~19 0 0 0 0 0 0
20~40 0 0 0 0 0 0
41~59 1,050 530 0 0 0 0
60~64 920 450 0 0 0 0
65~69 2,240 1,690 560 0 0 0
70~74 0 0 0 0 0 0
75~ 1,250 780 0 0 0 0
4人世帯
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2 4,460 3,500 1,090 0 0 0
3~5 2,330 2,310 1,890 0 0 0
6~11 0 0 0 0 0 0
12~17 0 0 0 0 0 0
18~19 0 0 0 0 0 0
20~40 0 0 0 0 0 0
41~59 0 0 0 480 820 180
60~64 760 820 420 1,080 820 0
65~69 760 820 420 1,420 1,640 990
70~74 140 100 0 0 0 0
75~ 140 100 0 560 730 110
5人世帯
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2 4,230 4,080 3,640 0 0 0
3~5 2,170 2,110 1,740 0 0 0
6~11 0 0 0 0 0 0
12~17 0 0 0 0 0 0
18~19 0 0 0 0 0 0
20~40 0 0 0 0 0 0
41~59 0 0 0 0 590 410
60~64 560 620 270 1,170 1,380 400
65~69 560 620 270 1,170 1,400 1,230
70~74 100 0 0 400 170 0
75~ 100 0 0 410 870 0

いよいよ生活扶助本体の計算へ

ようやくベースとなる生活扶助基準額①~③までの計算と、生活扶助に係る経過的加算の金額の確認を終えましたが、あともう少しですので頑張りましょう。

「1級地-1」の地域に住んでいる2人世帯(夫45歳、妻40歳)

上記モデル世帯を参考に計算・確認した金額

  • 生活扶助基準額①(平成24年の基準)で計算した金額①…130,190円
  • 生活扶助基準額②(平成29年の基準)で計算した金額②…119,024円
  • 生活扶助基準額③(平成30年10月の基準)で計算した金額③…121,770円
  • 生活扶助に係る経過的加算…0円

これらの金額をもとに、最終的な生活扶助基準の金額を計算していきます。

その計算式が、
(生活扶助基準額②×2/3)+{(生活扶助基準額③+生活扶助本体に係る経過的加算)×1/3}
です。

しかし、

  • 生活扶助基準額②が、生活扶助基準額①×0.9より少ない場合は、生活扶助基準①×0.9で計算する
  • 生活扶助基準額③が、生活扶助基準額①×0.855より少ない場合は、生活扶助基準額①×0.855で計算する

とされていますので、まず先に、

  • 生活扶助基準額①×0.9
  • 生活扶助基準額①×0.855

を計算しておきましょう。

生活扶助基準を各々比較してみる

生活扶助基準額①×0.9=130,190×0.9=117,171(円)
生活扶助基準額①×0.855=130,190×0.855=111,312(円)

生活扶助基準額②…119,024円
生活扶助基準額③…121,770円
ですから、

生活扶助基準額②…119,024円>生活扶助基準額①×0.9=130,190×0.9=117,171(円)
生活扶助基準額③…121,770円>生活扶助基準額①×0.855=130,190×0.855=111,312(円)

モデル世帯のケースでは、生活扶助基準額②・生活扶助基準額③の方が金額が多かったので、生活扶助基準額②・生活扶助基準額③を利用して計算をします。

(生活扶助基準額②×2/3)+{(生活扶助基準額③+生活扶助本体に係る経過的加算)×1/3}

この式に②、③、そして、生活扶助本体に係る経過的加算の金額を当てはめていきましょう。

②…119,024円
③…121,770円
生活扶助に係る経過的加算…0円

ですから、

(119,024×2/3)+{(121,770+0)×1/3}
=79,348+40,590
=119,938円

この119,938円がこのモデル世帯の生活扶助の金額になります。

生活保護費の基本部分となる金額です。

生活扶助本体に様々な扶助が加算される

ここまでに計算した金額は、食費や光熱費被服費など日常生活に必要な費用である生活扶助本体の金額でした。

しかし、この他にも住宅扶助や教育扶助など、様々な扶助が必要に応じて加算されていきます。

住宅扶助費

例えば、東京に住んでいる場合の住宅扶助費の限度額は次のようになっており、基準額の範囲内で実費相当分が支給されます。

級地 単身 2人 3人~5人
1級地 53,700 64,000 69,800
2級地 45,000 54,000 59,000
3級地 40,900 49,000 53,200

地域や世帯人数、また住宅の広さによっても受給できる金額は変わります。

生活扶助費の計算のモデル世帯が仮に東京の1級地に住んでいて、限度額いっぱいの住宅扶助を受給しているとすると、
119,938+64,000=183,938
およそ184,000円を受給する計算になります。

東京で賃貸住宅を借りて、夫婦2人でこの金額で1ヶ月生活するとなると、やはりかなり厳しいという印象を受けますよね。

教育扶助・高等学校就学費
負担内容 小学生 中学生 高校生
基準額(金銭給付・月額) 2,600 5,000 5,200
楽器代(実費支給) 上限設定なし
クラブ活動費(実費上限・年額) 15,700円以内 58,700円以内 83,000円以内
入学準備金(実費上限・年額) 63,100円以内 79,500円以内 86,300円以内
高校受験料 受験料相当額

この他にも医療や介護、この他にも生業や出産、葬祭などさまざまな扶助があり、それぞれ限度額の範囲内で必要に応じて支給されます。

ほかの加算額はどうなっている?

世帯に障害者や児童がいる場合、また、ひとり親世帯の場合は生活保護費にそれぞれ加算がつきます。

障害者加算
認定 1級地 2級地 3級地
障害者1級・2級 26310 24470 22630
障害者3級 17530 16310 15090
母子加算
児童1人 21400 19800 18400
児童2人 24200 22400 20800
児童3人以上(1人につき加える額) 1600 1500 1400
児童養育加算
3歳未満 13300(1人につき)
3歳以上18歳未満 10000(1人につき)
第3子以降の小学校終了前の場合 13300(1人につき)

児童とは、18歳の誕生日を迎えて以後の最初の3月31日までをいいます。

また、生活保護制度では、障害者加算と母子加算は同時には受給できませんので注意しましょう。

なお、母子世帯、または児童養育世帯で一定の要件を満たしていれば生活保護費に別途経過的加算がつきます。

母子世帯、児童養育世帯の経過的加算について

以下の条件を満たす場合には、生活保護費に経過的加算がつきます。

3人世帯
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~5歳 1090 1090 0 0 0 0
6~11歳 1090 1090 1050 0 0 0
12~14歳 1090 1090 1050 910 580 0
15~17歳 0 0 0 0 0 0
18~19歳 1090 1090 1050 910 580 0
4人世帯
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~2歳 1090 1090 1050 1050 950 0
3~14歳 1090 1090 1050 1050 950 950
15~17歳 0 0 0 0 0 0
18~19歳 1090 1090 1050 1050 950 950
年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0~14歳 1090 1090 1050 1050 950 950
15~17歳 0 0 0 0 0 0
18~19歳 1090 1090 1050 1050 950 950
児童を養育する場合に係る経過的加算
3歳未満の場合 950(児童1人につき)
4人世帯以上で3歳未満の児童がいる場合 950(児童1人につき)
4人世帯以上で第3子以降の「3歳から小学生終了前」の児童がいる場合 950(児童1人につき)

おわりに

おわりに生活保護制度や生活保護費の仕組みは複雑ですが、さまざまな支給制度が設けられていますので、本当にお金に困ってしまった場合は迷わず受給申請をしてください。

生活保護制度は、お金に困窮してしまった人のための最後の頼みの綱であり、私たちには生活保護制度を利用する権利があります。

万一、生活保護に頼ることになった場合でも、生活保護費の計算方法を知っていればきっとかなり不安も和らぐでしょう。