会社からお金を借り入れる「社内貸付金制度」について

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「社内貸付金制度」をご存じですか?
緊急でお金が必要になった場合に会社からお金を借りられるありがたい制度なのですが、そうした制度があることを知らないという人は意外と多いです。

どんな時にどんな手続きをすれば会社からお金を借りられるのか、今回は社内貸付金制度について解説します。

社内貸付金制度とはどのような制度?

社内貸付金制度とは、会社が従業員にお金を融資してくれる制度です。

社内貸付金制度は会社が福利厚生の一環として設けている制度ですから、会社によって貸してもらえる金額や金利などは大きく異なりますし、規模の小さい会社では社内貸付金制度自体がない場合もあります。

借りられる条件などは会社によって異なりますが、一般の金融機関から借入をするよりもずっとお得にお金を借りられるというメリットがあるんですよ。

好条件で利用できるのなら、会社からお金を借りてみたいという人は、制度自体の有無や借入条件などについて確認してみてはいかがでしょうか?

お金を借りたい!社内貸付金制度とカードローンとの違いは…

どうしても緊急でお金が必要になってしまった!
勤めている会社には社内貸付金制度があるけれども…社内貸付金制度とカードローン、どちらを利用するのがいいのでしょう?
そもそも両者にはどのような違いがあるのでしょうか?

社内貸付金制度はカードローンよりも低利で借入できる

社内貸付金制度は、貸付によって利益を得ることを目的とはしていませんので、銀行や消費者金融よりもはるかに低い金利でお金を借りられます。

社内貸付金制度は、お金に困っている従業員がお金の心配をしなくても済むようにという配慮で制度化されている側面があります。

従業員の金銭的な不安を解消して、本来の能力を仕事で存分に発揮してもらうための制度という意味合いもあるので、低金利に設定されています。

つまり、従業員だけでなく、会社にとっても社内貸付金制度は合理的な制度なのですね。

借入の「手軽さ」を重視するなら社内貸付金制度よりもカードローン

ただし、社内貸付金制度では、消費者金融や銀行カードローンなどのように即日から数日で手軽にお金を借りるというわけにはいきません。

社内貸付金制度でお金を借りるには、社内の審査などさまざまな手続きを経なければならないため、通常2週間から3週間程度の時間がかかります。

また、顔見知りの社員にお金を借りたい旨を伝え、申請書を提出しなければいけないわけですから、お金に困っていることが周囲に知られてしまう可能性もあります。

気を遣ったり余計な詮索をされたりすることなく、気軽にお金を借りたいという場合には、貸付金制度を利用するよりも消費者金融や銀行カードローンを利用する方がいいでしょう。

社内貸付金制度を利用するメリット・デメリット

社内貸付金制度を利用する場合のメリットやデメリットについてもう少し見ていきましょう。

社内貸付金制度のメリットその1~金利が低い

社内貸付金制度の最大のメリットはやはり金利が低いことでしょう。

消費者金融や銀行カードローンも、下限金利だけ見れば確かに金利は低いように見えます。

しかし通常、消費者金融や銀行カードローンで初めて借入をする場合、上限金利が適用されるケースがほとんどだということを考えると、社内貸付金制度の金利の低さが際立っていることがよくわかりますよね。

社内貸付金制度を利用すれば超低金利で借入できる場合も…

先にも少し触れたように、社内貸付金制度は利息で収益を上げることが目的ではないため、金利を1%以下に設定している会社も珍しくありません。

できるだけ低金利でお金を借りたいという人にとって、社内貸付金制度はかなりありがたい制度だといえるでしょう。

社内貸付金制度 1.0%~4.0%程度
銀行カードローン 1.5%~15%程度
消費者金融 3.0%~18%
社内貸付金制度を利用するとどのくらいお得?

では、社内貸付金制度を利用すると、どれくらいお得にお金を借りることができるのでしょうか?

  • 金利2.0%の社内貸付金制度
  • 金利14.0%の銀行カードローン
  • 金利18.0%の消費者金融

でおのおの30万円を借りて1年(12回)で返済をする場合、支払う利息にどのくらいの差が出るかを計算してみました。

借入先 毎月の返済金額 総返済額
支払利息
社内貸付金制度(金利2.0%) 25,271円 303,253円
3,253円
銀行カードローン(金利14.0%) 26,936円 323,228円
23,228円
消費者金融(金利18.0%) 27,503円 330,044円
30,044円

いかがでしょうか?
社内貸付金制度を利用して30万円を借りた場合、1年間で返済すれば支払利息はたったの3,253円で済みますが、消費者金融を利用した場合には30,000円以上の利息を支払わなければなりませんから、この違いは確かに大きいです。

社内貸付金制度がいかにお得にお金を借りられるかが、よく分かりますね。

社内貸付金制度のメリットその2~返済の手間がかからない

社内貸付金制度で会社からお金を借りた場合には、給料からの天引きで返済をするというパターンが多いです。

手取りは少なくなってしまいますが、返済の確実性という点ではこれ以上の方法はありません。

消費者金融や銀行カードローンでお金を借りる場合には毎月返済手続きを行ったり口座引き落としの手続きをしたり何かしら手間がかかってしまううえ、返済日を意識していないと返済し忘れてしまうという危険もあります。

ただ、会社によっては、従業員が会社の口座に振り込みをしなければならない、あるいは天引きするのはボーナスからのみという方法をとっていることもありますので、返済方法についても会社にきちんと確認をしておく必要があるでしょう。

社内貸付金制度のメリットその3~返済に困っても相談しやすい

消費者金融や銀行カードローンでお金を借りた場合、万一返済が滞ってしまうようなことになれば最悪の場合ブラックリスト入りしてしまう可能性もあります。

社内貸付金制度では、借り入れできる金額自体がそれほど高額に設定されていないため、無理のない範囲で返済できるしくみになっていることがほとんどです。

もし、何らかの事情で月々の返済が苦しくなってしまった場合でも、会社に相談をすれば返済金額を減らすなどの措置を講じてもらえるでしょう。

また、社内貸付金制度でお金を借りた場合には、たとえ返済に困るようなことがあったとしても信用情報に傷がつくようなことはありません。

社内貸付金制度のメリットその4~金融事故経験者でも借り入れできる

社内貸付金制度を利用すれば返済に困ったとしても信用情報に傷がつくようなことはないと説明しましたが、逆に、過去に金融事故を起こして消費者金融や銀行カードローンの利用が困難な人でも、社内貸付金制度でならお金を借りられる可能性があります。

一般の会社では、社内貸付金制度に申し込みをした従業員の信用情報を信用情報機関に問い合わせして確認するようなことはありませんし、たとえ問い合わせをしたところで一般の会社が社員の信用情報を調査することは不可能だからです。

仮に、以前に金融事故を起こしてブラックリスト入りをしている状態だとしても、そうした事実を会社が把握することはありませんから、社内審査に通過できれば問題なく社内貸付金制度でお金を借りられるでしょう。

社内貸付金制度のデメリットその1~資金使途によっては借入できない

社内貸付金制度を利用してお金を借りる場合には、資金使途について詳しく聞かれるのが一般的です。

会社によって規定はそれぞれですが、基本的には病気や災害、出産や葬儀など緊急を要すると認められれば借入が認められます。

子供の学校の入学金や自動車の購入費用、結婚式の費用という理由でも借入可能な会社もありますので、この辺りも事前によく確認しておくとよいですね。

このように、社内貸付金制度を利用する場合には利用目的が重視されますので、

  • ギャンブルや投資にお金を使いたい
  • ブランド品を買いたい
  • 旅行に行きたい

などという理由では、借入を認められないと考えておいたほうがよいでしょう。

あくまでも緊急時のための貸付制度だということを覚えておいてください。

社内貸付金制度のデメリットその2~審査に時間がかかる

社内貸付金制度でお金を借りる場合は、申請してもすぐにお金を借りられるわけではありません。

会社の規定に従って、各関係部署でさまざまな手続きを進めていく必要があるため、お金を借りられるまでに2週間から3週間程度の時間を必要とすることも珍しくはないのです。

規模の小さい会社の場合なら1週間程度でお金を借りられることもありますが、会社の規模が大きくなるほど借入までに時間がかかる傾向が見られます。

このように、社内貸付金制度を利用してお金を借りるのには結構な時間がかかってしまいます。

早急にお金が必要だという場合には消費者金融や銀行カードローンを利用する方が良いでしょう。

社内貸付金制度のデメリットその3~保証人が必要な場合が多い

社内貸付金制度のデメリットとして、連帯保証人が必要になるケースが多いことが挙げられます。

会社でお金を借りるだけでもなんとなく肩身が狭い思いをしなければならないのに、そのお金を借りるために、周囲の人に連帯保証人になってもらうことをお願いしなければならないのは非常に心苦しいですよね。

また、会社に借金をしようとしていることを知られてしまうのですから、かなり抵抗を感じる人も多いでしょう。

ただし、ある一定の金額までであれば連帯保証人は必要ないとする会社もありますし、どんなに少額を借りるだけでも必ず連帯保証人が必要だという会社もあるなど、会社によって規定が異なりますので、きちんと確認しておく必要があるでしょう。

社内貸付金制度を利用するにはどうすればいい?

社内貸付金制度を利用してみたい…でもどうやって手続きを進めればいいでしょうか。

社内貸付金制度を利用する場合の手続き

自分の会社に社内貸付金制度があることを確認したら、まずは上司や担当部署に相談するところからスタートしましょう。

会社によって社内貸付金制度の申し込み手順はそれぞれですが、担当部署に必要書類を提出した後に社内審査を受け、社内審査に無事通過すれば銀行口座にお金が振り込まれるという基本的な流れはどの会社でも変わりはありません。

社内審査では、

  • 勤続年数
  • 資金使途が適正かどうか
  • 日頃の勤務態度が良好かどうか

などをもとに、総合的に融資可否が判断されます。

もちろん、内部的な審査ですから、家族への電話連絡での確認や信用情報機関への問い合わせなどはありません。

社内貸付金制度を利用するにはどんな書類が必要?

社内貸付金制度を利用する場合の必要書類についてですが、一般的には、

  • 会社で指定された社内貸付金制度の申込書
  • 金銭消費貸借契約書
  • 資金使途が分かる見積書や領収証など

などを提出します。

また、社内貸付金制度を利用する場合には、必ず金銭消費貸借契約書を作成しましょう。

  • 後日、返済に関して会社側と従業員との間でトラブルが起こらないようにするため
  • 従業員が借り入れたお金が贈与税の対象になってしまわないようにするため

といった理由によります。

社内貸付金制度を利用する際の注意点

社内貸付金制度を利用するにあたって注意すべきことを挙げてみました。

社内貸付金制度を利用できるのは原則として正社員のみ

社内貸付金制度は従業員のための福利厚生サービスとして設けられていますので、正社員でなければ利用できない会社が大多数です。

契約社員やパートなどのように雇用が不安定だと、返済途中で会社をやめられてしまった場合にお金の回収が困難になってしまうため、まとまった金額を融資しにくいという事情も関係しているでしょう。

ただ、なかには、勤続年数の長い契約社員やパートなら社内貸付金制度を利用できるようにしている会社もあり、正社員ではないからといって絶対に社内貸付金制度を利用できないとも限りません。

確かに、社内貸付金制度は誰でも利用できる制度ではありませんが、勤続年数によっては非正規の人でも利用できるかもしれません。

もし、可能なら貸付金制度を是非利用したいと考えているのであれば、経理の担当者などに確認をしてみてください。

勤続年数が短いと借りられないことも

社内貸付金制度は、勤続年数が長いほど借りられる金額も多くなる傾向にあります。

福利厚生の一環としての貸付制度ですから、より会社に貢献した従業員に満足してもらえるよう、勤続年数によって借りられる金額に違いを設けるのはもっともなことといえるでしょう。

一方で、勤続年数が短いと社内貸付金制度を利用できない場合もありますが、その基準も会社によってさまざまです。

勤続年数が5年に満たない場合には、社内貸付金制度を利用することができないとしている会社もあれば、1年目は20万円までの借入が認められていて、以後1年ごとに借入可能金額が増えていくという会社もあるのです。

社内貸付金制度があることを知ってすっかり申請するつもりになっていたのに、勤続年数が足りずに門前払いを食ってしまったなどということがないように、自分の勤続年数と借り入れできる金額はあらかじめきちんと確認しておきましょう。

転職や退職をした場合は一括返済する必要がある

転職や退職をすれば、これまでの会社の社員ではなくなるわけですから、当然福利厚生制度を利用できなくなってしまいます。

社内貸付金制度を利用していた場合ももちろん同様です。

会社によっては、転職や退職をする際にはそれまでに社内貸付金制度で借りたお金を一括で返済しなければならないと規定していることもあります。

転職や退職をしても一括返済をしなくても良いとしている会社もないわけではありませんが、会社を離れたのにいつまでも返済だけ続けていくというのも、お互いあまり気持ちの良いものではありませんよね。

従って、近いうちに転職や退職の予定がある場合には、極力社内貸付金制度を利用するのは避ける方が無難だと思われます。

おわりに

そもそも、社内貸付金制度は従業員が積極的に利用するための福利厚生サービスとして設けられているわけですから、制度を利用すること自体に後ろめたさを感じる必要はありません。

社員貸付金制度を利用すれば、低い金利でお金が借りられますし、会社と相談の上無理のない範囲で返済していくことが可能です。

一方で、お金に困っていることが会社の人に知られてしまう可能性があることや、煩雑な手続きを経なければいけないというデメリットがあるため、何となく制度を利用することに不安を感じてしまうのも事実でしょう。

社内貸付金制度もカードローンもそれぞれに一長一短あります。

現在の自分の状況をしっかり把握して、無理なく活用できる方法を優先してくださいね。